医療法人さわらび会  

福祉村病院


 福祉村病院は愛知県の南東部、豊橋市に位置し人口37万5千人、田畑に囲まれた風光明媚な高台にあった。敷地面積10万平方メートルと東京ドーム2個分の広大な敷地に病院をはじめとして、老人保健施設、医学研究所を事業とする医療法人 、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、ケアハウス、有料老人ホーム、障害者支援施設、障害者福祉サービス事業所などの社会福祉法人、さらに職員寮・保育園・郵便局・売店・食堂・寺院まであり、福祉村と名付けたひとつの街であった。

 まず白川統括本部次長から紹介コマーシャルを交え法人の説明があった。法人名である「さわらび」とは、万葉集ゆかりの名前であり、1962年前身である山本病院創立から始まった。その後退院したひとりの患者の孤独死をきっかけに高齢者・身体障害者・知的障害者などお互いに助け合って暮らせるよう、1977年に特別養護老人ホームを、そして1980年には障害者施設を開設、その後も次々と施設を開設し現在に至っている。

 また当時としてはめずらしい介護婦・痴呆療法士を配置するなど、常に時代を先駆け成長を続けている。

 医療サービスの要である福祉村病院は、病床数487床の医療療養・介護療養を有する認知症専門病院で、神経病理研究所や認知症予防脳ドックを開始するなど、認知症診断の向上と治療方法の開発にも貢献している。なかでも研究所の、600例を越す脳サンプルは全国的に注目されており、国内の大学を始め各施設との共同研究が展開されている。

 また開設当初から積極的にリハビリテーションを導入していたが、現在は、認知症リハビリテーションプロジェクトにも力を注いでいる。認知症リハビリプログラムの内容としては農作業・音楽療法・紙すき・野球・木工など、患者が興味を持っているものに参加しており、笑顔が増えた・意欲を持つようになったなどの効果がみられている。

 さらに山本理事長が提唱した「認知症介護の三原則」
 1.いつも暖かい愛情と笑顔で。
 2.決して叱らず、制止せず。
 3.今、できることをしていただく。
を守って、より良いサービスが提供できるよう職員が努力している。職員は全員、認知症サポーター養成講座を受講しており、認知症に特化した組織づくりの姿勢がうかがえる。

 法人の事業所は福祉村だけでなく近隣にも多く、すべて合わせると17施設及び相談窓口は11事業所にものぼる。

 これらの事業所は、毎朝朝礼での全館放送による理念の唱和や月に一度の施設会議・在宅医療福祉部会などを行い、横のつながりを強化している。もちろん福祉村だけでサービスが完結するのではなく、きめ細やかな地域連携ネットワークのもと地元の開業医とのディスカッションをはじめ、急性期病院との連携・認知症の強みを活かした病診連携・ケース会議・勉強会そして行政とともに「認知症ケアブック」を作成している。

 また地域においても、健康教室・文化祭などを通じて地元の人たちと交流を行い積極的に活動している。

 今回は福祉村病院をはじめ、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・ケアハウス・職員のための保育園・就労支援を行なう障害者福祉サービス事業所など、細かな説明のもと充分に見学させていただいた。数々の事業を展開しながらも患者・利用者そして地域のため職員がまとまっていると感じた。

 自施設の専門分野を明確にし、地域との交流も大切にしながら理念である「みんなの力でみんなの幸せを」を実現するために地域に根ざした医療・福祉のさらなる発展を期待したい。

 

(芳野病院 看護部長 永禮博子)



2日目 フェリス福祉村にて




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