「令和8年度診療報酬改定説明会」の報告


日 時
令和8年3月12日(木) 13:00~16:00
  〔YouTubeによるライブ配信〕
共 催
(一社)日本病院会 ・(一社)全国公私病院連盟
講 師
厚生労働省保険局医療課 矢野 好輝 課長補佐
報告者
岡山県病院協会 医事業務委員会
難波 龍鋭 委員(高梁中央病院)


 

【令和8年度診療報酬改定について】

診療報酬+3.09%(R8年度及びR9年度の2年度平均。R8年度+2.41%、R9年度+3.77%)(R8年6月施行)

※1 うち、賃上げ分+1.70% (2年度平均。R8年度+1.23%、R9年度+2.18%)

・医療現場での生産性向上の取組と併せ、R8・R9にそれぞれ3.2%(看護補助者、事務職員は5.7%)のベアを実現するための措置

・うち、改定率の0.28%分は、医療機関等における賃上げ余力の回復・確保を図りつつ幅広い職種での賃上げを確実にするための特例的な対応

※2 うち、物価対応分+0.76% (2年度平均。R8年度+0.55%、R9年度+0.97%)

・特に、R8以降の物価上昇への対応として+0.62%(R8年度+0.41%、R9年度+0.82%)を充て、施設類型ごとの費用関係データ等に基づき配分。(病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%)

・また、改定率の0.14%分は、高度医療機能を担う病院(大学病院を含む)が物価高の影響を受けやすいこと等を踏まえた特例的な対応

※3 うち、食費・光熱水費分+0.09% (入院時の食費基準額の引上げ(40円/食)、光熱水費基準額の引上げ(60円/日))

・患者負担の引上げ:食費は原則40円/食(低所得者は所得区分等に応じて20~30円/食)、光熱水費は原則60円(指定難病患者等は据え置き)

※4 うち、R6改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分+0.44%

・配分に当たっては、R7補正予算の効果を減じることのないよう、施設類型ごとのメリハリを維持(病院+0.40%、医科診療所+0.02%、歯科診療所+0.01%、保険薬局+0.01%)

※5 うち、後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化▲0.15%

※6 うち、※1~5以外の分+0.25% 各科改定率:医科+0.28%、歯科+0.31%、調剤+0.08%

 

【基本的視点と具体的方向性】

(1)物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応〈重点課題〉

(2)2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進

(3)安心・安全で質の高い医療の推進

(4)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上

 

1.賃上げ対応

【賃上げに向けた評価の見直し(概要)】

◆ベースアップ評価料の対象の拡大

・入院医療、外来医療及び在宅医療等の医療提供体制を支える、保険医療機関等に勤務する幅広い職員の人材確保及び確実な賃上げを実施する観点から、ベースアップ評価料の対象となる職員を拡大する。

※事務職員、40歳未満の医師も対象とする。(経営者、役員等は除く。)

◆ベースアップ評価料の評価体系の変更

・外来・在宅ベースアップ評価料、歯科外来・在宅ベースアップ評価料及び訪問看護ベースアップ評価料について、継続的に賃上げを実施している保険医療機関とそれ以外の保険医療機関において異なる評価を行う。

・全てのベースアップ評価料について、令和8年度及び令和9年度において段階的な評価とする。

◆入院料の見直し

・継続的な賃上げに係る評価を行う観点から、入院基本料等を引き上げる

・令和6年度及び令和7年度において賃上げを実施している等の保険医療機関とそれ以外の保険医療機関を区別する観点から、入院基本料等に減算規定を新設する。

◆賃上げに係る評価の使途の見直し

・夜勤職員の確保を行う観点から、看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に用いることを可能とする。

 

2.物価対応

【物件費の高騰等を踏まえた対応】

◆物価対応料の新設

・令和8年度及び令和9年度の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料・調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算として、物価対応料を新設する。

◆入院基本料の見直し

・これまでの物価高騰による医療機関等の物件費負担の増加や、継続的な賃上げに係る評価を行う必要性があることを踏まえ、基本診療料等について点数を引き上げる。

 

【入院時の食費・光熱水費の基準の見直し】

・入院時の食費の基準については、令和6年6月から1食当たり30円、令和7年4月から1食当たり20円の引上げを行ったが、令和7年4月以降も食材費等が上昇していることを踏まえ、1食当たり40円引き上げる。

※令和8年6月1日施行。令和7年度の食材費等の上昇に対しては、別途、令和7年度補正予算「重点支援地方交付金」による支援も活用可能。

・近年の光熱水費の上昇等を踏まえ、入院時の光熱水費の基準(対象は療養病床に入院する65歳以上の者)を1日当たり60円引き上げる。

※令和8年6月1日施行。

※指定難病患者等については、自己負担はなく、据え置き。

 

3.急性期・高度急性期入院医療

【急性期病院一般入院基本料等の新設】

・地域で病院が果たしている救急搬送の受入や手術等の急性期機能に着目し、地域ごとの急性期の病院機能を確保する観点から、病院の機能に着目した急性期病院一般入院基本料を新設

 

【急性期病院一般入院基本料等の評価】

・病院の機能に着目した急性期病院一般病棟入院基本料等を新設するとともに、救急搬送症例や手術なし症例における重症度、医療・看護必要度の適切な評価を進める観点から、該当患者割合に救急搬送応需係数を加えた該当患者割合指数に見直す。

・高齢者等が主に入棟する病棟において、患者のADL維持・向上等に係る取組を進めるため、看護・多職種協働加算を新設。

 

【一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の見直し】

救急搬送症例や手術なし症例について適切な評価を進める観点から、以下の見直しを行う。

A項目「専門的な治療・処置」の項目のうち「抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)」C項目「救命等に係る内科的治療」「別に定める検査」「別に定める手術」について、対象となる治療等を追加する。

○急性期一般入院料等で使用する一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の基準該当割合に、対象病棟における病床あたり救急搬送受入件数等に応じた係数を加えた指数を用いる。

 

【リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組の更なる推進】

・リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組を更に推進する観点から、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算について更に評価するとともに、施設基準を緩和した加算2を新設する。

・加算2に従事する専従の理学療法士等においては、「A251」排尿自立支援加算、「A230-4」精神科エゾンチーム加算、「H004」摂食嚥下機能回復体制加算における業務についても兼務できることとする。

・BIの測定に係る研修において、併せてFIMの測定に関する内容を含むことが望ましいこととする。

 

【医師の働き方改革及び診療科偏在対策の推進】

◆地域医療体制確保加算の見直し

・若手の医師数が減少しており、かつ、医療提供体制の確保が必要とされている診療科について、当該診療科の医師を対象として勤務環境・処遇改善を行うとともに、研修体制を整えている医療機関を新たに評価する。

・特定地域医療提供医師及び連携型特定地域医療提供医師の、時間外・休日労働時間の上限に係る基準を見直す。

◆外科医療確保特別加算の新設

・地域の基幹的な医療機関において、高度手術を実施する体制を整備し、外科医の勤務環境の改善を図った上で、当該手術を実施した場合の加算を新設する。

◆処置及び手術の休日加算1等の要件の見直し

・医師の働き方改革を推進する観点から、処置及び手術に係る休日加算1、時間外加算1及び深夜加算1の要件を見直す。

 

4.包括期・慢性期入院医療

【2040年とその先を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進】

・入院分野では、在宅・介護施設からの緊急入院の受け入れ、円滑な入退院の実現、高齢者で必要となるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の充実など見直しを実施。

・在宅医療・訪問看護分野においては、平時からのICTを用いた情報連携に関する評価の見直し等を行うとともに、重症患者や住まいの特性に合わせて評価の見直しを実施。

 

【地域包括医療病棟入院料の見直し】

◆地域包括医療病棟入院料の評価の見直し

・地域包括医療病棟において診療を担うことが期待される誤嚥性肺炎や尿路感染症の医療資源投入量その他の特徴を踏まえ、入院形態(予定入院/緊急入院)や手術の実施状況に応じて患者により異なる入院料を設定する。

・包括期の病棟のみで患者の診療を行う場合の救急受入等の負担を考慮し、急性期病棟の併設がない場合について更に評価する。

◆地域包括医療病棟の施設基準の見直し

高齢者の中等症までの救急疾患等の幅広い受入を推進する観点から、高齢者の生理学的特徴や頻度の高い疾患の特徴を踏まえ、平均在院日数ADL低下割合及び重症度、医療・看護必要度の基準を見直す。

 

【地域包括医療病棟におけるリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の見直し】

◆連携加算1の更なる評価と連携加算2の新設

・地域包括医療病棟におけるリハビリテーション・栄養・口腔連携加算について、A233リハビリーテション・栄養・口腔連携体制加算の見直しと合わせて、加算1を更に評価するとともに、施設基準を緩和した加算2を新設する。

 

【地域包括ケア病棟における初期加算等の評価の見直し】

◆初期加算や連携に係る評価の見直し

・地域包括ケア病棟における在宅医療や協力対象施設の後方支援の機能をより高く評価する観点から、在宅患者支援病床初期加算について、「救急搬送された患者又は救急患者連携搬送料を算定し他の保険医療機関から搬送された患者」の対象を「緊急入院した患者」に拡大するとともに、評価を見直す。

・後方支援における連携を個別に評価する観点から、「B005」退院時共同指導料2及び「B005-1-2」介護支援等連携指導料について、包括範囲から除外し、出来高算定とする。

 

【地域包括ケア病棟におけるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的取組】

◆地域包括ケア病棟入院料におけるリハビリテーション・栄養・口腔連携加算の新設

地域包括ケア病棟においてもリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組を推進する観点から、地域包括ケア病棟の配置等に合わせたリハビリテーション・栄養・口腔連携加算を新設する。

・当該加算を算定する患者について、「B001の10」入院栄養食事指導料及び「B011の6」栄養情報連携料の算定を可能とする。

 

【包括期入院医療における充実した後方支援の評価】

◆包括期充実体制加算の新設

・高齢者救急、在宅医療及び介護保険施設の後方支援を更に充実させる観点から、一定の体制及び実績を有する許可病床数200床未満の地域包括医療病棟又は地域包括ケア病棟で算定可能な包括期充実体制加算を新設する。

 

【回復期リハビリテーション強化体制加算の新設】

◆回復期リハビリテーション強化体制加算の新設

回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出ている病棟を対象に、実績指数、排尿自立支援加算の届出及び退院前訪問指導の実施割合等を要件とする回復期リハビリテーション強化体制加算を新設する。

 

【リハビリテーション実績指数の基準等の見直し】

◆リハビリテーション実績指数の基準の見直し

・リハビリテーション実績指数の計算方法や除外対象を見直すとともに、回復期リハビリテーション病棟入院料1及び3について、リハビリテーション実績指数の基準を見直す。

・回復期リハビリテーション病棟入院料2及び4について、新たに実績指数の要件を導入する。

◆FIMの測定に関する研修会開催に係る要件の見直し

・実績指数の導入に伴い、回復期リハビリテーション病棟入院料1及び3の施設基準であるFIMの測定に関する研修会を年1回以上開催することについて、入院料2及び4においても要件とする

 

【リハビリテーション実績指数の算出方法等の見直し】

◆リハビリテーション実績指数の算出方法の見直し

・リハビリテーション実績指数の算出方法について、FIM運動項目のうち「歩行・車椅子」及び「トイレ動作」の得点について、入棟時又は入室時に5点以下、かつ退棟時又は退室時に6点以上に上がった場合、分子のFIM運動項目利得に1点を加えることとする。

◆リハビリテーション実績指数の除外対象患者・除外できる割合の見直し

・回復期リハビリテーション病棟において、より質の高いアウトカム評価を推進する観点から、リハビリテーション実績指数の除外対象患者の基準及び除外できる割合を見直す。

◆「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」の基準の見直し

・基本診療料の施設基準等別表第九の三に規定する「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」について、リハビリテーション実績指数が2回連続して27を下回った場合から、30を下回った場合に見直す。

※「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」に該当した場合、1日につき6単位を超える疾患別リハビリテーション料は回復期リハビリテーション病棟入院料等に包括される。

 

【回復期リハビリテーション病棟における重症患者基準に係る見直し】

◆重症患者の対象範囲及び受入割合基準の見直し

・回復期リハビリテーション病棟入院料1から4までについて、重症患者の対象をFIM21点以上55点以下に見直すとともに、高次脳機能障害と診断を受けた患者及び脊髄損傷と診断を受けた患者を追加する。

・重症患者の対象の見直しとともに、重症患者の新規受入割合の基準を見直す。

 

【回復期リハビリテーション病棟での休日リハビリテーションの見直し】

◆休日リハビリテーション体制の見直し

・回復期リハビリテーション病棟1及び2に加え、3及び4についても、土曜日、休日を含め全ての日において、リハビリテーションを提供できる体制を備えていることを要件とする。

・また、土曜日、休日の1日当たりリハビリテーション提供単位数を見直す。

・これに伴い、休日リハビリテーション提供体制加算を算定することのできる対象から回復期リハビリテーション病棟入院料3及び4を算定している患者を除外し、対象範囲を回復期リハビリテーション病棟入院料5及び回復期リハビリテーション入院医療管理料を算定している患者のみに変更する。

 

【回復期リハビリテーション病棟入院料に係る見直し】

◆退院前訪問指導料の取扱いの見直し

・回復期リハビリテーション病棟入院料等について、退院前訪問指導料を出来高にて算定できることとする。ただし、入院後早期に退院前訪問指導の必要があると認められる、退院前訪問指導料を2回算定する場合には、退院前訪問指導料と「H003-2リハビリテーション総合計画評価料」の注3に規定する入院時訪問指導加算との併算定は出来ないこととする。

 

【リハビリテーション実績指数等の公開方法の見直し】

◆リハビリテーション実績指数等の公開方法の見直し

・リハビリテーション実績指数等について、院内掲示及びウェブサイトに掲載することを要件とする。

 

【療養病棟入院基本料の見直し】

◆医療区分の見直し

・処置等の医療区分2に複数該当する場合の医療資源投入量を踏まえ、感染症にかかる処置が、他の一部の処置と併せて行われている場合には、処置等に係る医療区分3の患者として入院料を算定することとする。

非がん疾患に対する緩和ケアを評価する観点から、悪性腫瘍以外にも、心不全、呼吸不全、腎不全で医療用麻薬等の薬剤投与による苦痛のコントロールが必要な状態について、疾患・状態に係る医療区分2に追加する。

医療的ケア児の受入について評価する観点から、超重症児・準超重症児に該当する小児について、超重症児は疾患・状態に係る医療区分3に、準超重症児は医療区分2に追加する。

 

◆求める医療区分2・3割合の見直し

・療養病棟入院基本料2において求める医療区分2・3の患者の割合を、5割から6割に引き上げる

 

【障害者施設等入院基本料等の見直し】

◆廃用症候群を主病名とする患者の評価の見直し

主傷病名が廃用症候群の患者のうち医療区分1又は2に相当する患者について、新たに療養病棟に準じた評価とする。(特殊疾患病棟入院料、特殊疾患入院医療管理料についても同様)

・脳卒中、脳卒中の後遺症及び廃用症候群の患者のうち、注13により算定する患者は、これらを発症する以前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者を含まないことを明確化する。

 

【身体的拘束最小化に係る特に高い取組の評価】

◆身体的拘束最小化推進体制加算の新設

・身体的拘束の最小化に向け、管理者等を中心として身体的拘束を原則として行わないという組織風土を醸成し組織的に特に質の高い取組を行う体制について、新たな評価を設ける。

 

5. 入院(DPC/PDPS)

【基礎係数の見直し】

◆基礎係数の見直し

・基本的な考え方については従前の設定方法を維持し、医療機関群(大学病院本院群、DPC特定病院群及びDPC標準病院群)の設定については、DPC標準病院群のうち、一定要件を満たす医療機関(「DPC標準病院群1」)については、それ以外の医療機関(「DPC標準病院群2」)と基礎係数の評価を区別する。

 

【診断群分類点数表の見直し】

◆入院期間Ⅱの見直し

・多くの診断群分類において、平均在院日数が在院日数の中央値を上回っている実態を踏まえ、点数設定方式A、B及びCのうち在院日数の変動係数が0.6を下回る診断群分類について、10%を変動率の上限として、入院期間Ⅱを平均在院日数から在院日数の中央値へ見直すとともに、包括点数の設定を行う。

 

6.入院(共通事項)

【入院基本料等の通則の見直し】

◆入院診療計画、身体的拘束最小化についての基準の変更

・入院診療計画の基準について、入院期間が2日以内であると見込まれる場合等であって、診療や退院後の治療や生活に支障がないと認められる患者に対して入院診療に関する必要な説明を行った場合は、患者への文書を用いた説明及び交付は行わなくても差し支えないこととする。さらに、医師や患者等の署名は不要とし、説明日及び説明者を診療録に記載することとする。

身体的拘束最小化の基準は、令和6年度改定で新設された部分を「体制に係る基準」と位置づけたうえで、実績や取組に係る基準を新設し、体制のみを満たし実績等を満たさない場合は、入院基本料等を20点減算することとする。

◆入院中の患者への家族等による面会に係る基準の新設

・正当な理由なく入院中の患者に対する家族等による面会を妨げないよう、入院基本料等の通則及び入退院支援加算に新たに規定を設ける。

 

【身体的拘束最小化の取組の更なる推進】

◆身体的拘束最小化の基準(入院料通則)の充実

・入院料の通則における身体的拘束最小化の基準に、組織風土を醸成することの重要性や、医療機関が定期的に行う研修において身体的拘束の代替手段や患者の尊厳の保持に関する内容を含むことが望ましいことを追加する。

・また、身体的拘束最小化チームが作成する指針に盛り込むことが望ましいとしていた内容について、必ず含めることとする。(経過措置あり)

◆身体的拘束最小化の実績等に係る基準(入院料通則)を新設

・令和6年度診療報酬改定で新設された入院料の通則における身体的拘束最小化の基準を、身体的拘束最小化の基準のうち「体制に係る基準」と位置づける。

・身体的拘束最小化の基準として、新たに「実績等に係る基準」を設ける

・身体的拘束最小化の基準のうち「実績等に係る基準」のみ満たせない場合は、入院料を1日につき20点減算する。

【入院基本料等における各種基準の計算方法の明確化】

◆各入院料における施設基準の要件の計算対象の明確化

急性期一般入院料等における自宅等に退院するものの割合の計算において、当該病棟において他の入院料(病床単位で算定可能な特定入院料や短期滞在手術等基本料)を算定する患者は計算の対象外とする。

・療養病棟入院基本料の注10に規定する在宅復帰機能強化加算についても同様の対応を行う。

特定入院料における各種基準の計算方法においても、当該病棟内の他の入院料(病床単位で算定可能な特定入院料や短期滞在手術等基本料)を算定する患者は計算の対象外であることを通則に規定し明確化する。

 

【1つの病棟において算定可能な特定入院料の種類数の明確化】

◆特定入院料の施設基準等の通則の追加

・病棟が1看護単位として機能するに当たり、患者割合等の要件が過度に複雑となることを避ける観点から、1病棟において届け出ることのできる特定入院料の種類数を2までと規定し、通則に明記する。

 

【入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲の見直し】

◆入院料ごとの役割に応じた出来高算定可能な見直し

・入院料ごとに医療機能を適切に評価し、機能に応じた患者の入棟を円滑にする観点から、入院料に薬剤料が包括されない薬剤及び注射薬について、以下の見直しを行い、介護保険との給付調整についても同様の対応を行う。

 

【ICT等の活用による看護業務効率化の推進】

◆ICT等の活用による看護業務の更なる効率化や負担軽減を推進

ICT機器等の活用により看護業務を軽減したうえで、適切に患者の看護を行うことができる体制がある場合に、病棟の看護職員・看護補助者の数等について1割以内の範囲の減少である場合は、入院基本料等の基準を満たすものとして、所定点数を算定できるよう見直す。

・看護業務において、ICT機器等を活用することで業務の更なる効率化や負担軽減を推進する観点から、①見守り、②記録、③医療従事者間の情報共有に関して業務効率化に有用なICT機器等を組織的に活用した場合に、入院基本料等に規定する看護要員の配置基準を柔軟化する。

 

【やむを得ない事情における施設基準等に関する取扱いの見直し】

・医療現場を取り巻く人手不足の状況下で、質の高い医療提供体制の維持とそのための人材確保の取組の両立を図る観点から、公共職業安定所や無料職業紹介事業者、適正認定事業者を活用する等により、平時から看護職員確保の取組を行っているにもかかわらずやむを得ない事情によって一時的に看護職員確保ができない場合について、看護職員の配置基準を柔軟化する。

 

【医療機関等における事務等の簡素化・効率化】

◆事務等の簡素化・効率化

・医療機関等における医療DXへの対応及び業務の簡素化を図る観点から、診療に係る様式の簡素化や署名・記名押印の見直し、施設基準等に係る届出や報告事項を見直す。

○医療DXへの対応を見据え、既存の様式も含め、各種様式の共通項目については、可能な範囲で記載の統一を図る。

○入院診療計画書のような業務負担の大きい計画書やその他煩雑な計画書について、様式の簡素化や運用の見直しを行うとともに、各種様式の署名又は記名・押印について、代替方法で担保できるものは廃止する。

○施設基準等届出のオンライン化を引き続き進めるとともに、円滑にオンライン化が進むよう、届出様式の削減や届出項目を最小化する。

○施設基準等の適合性や診療報酬に関する実績を確認するために、毎年、地方厚生(支)局長や厚生労働省に報告を求めている様式について、他に代替方法がないものや次期報酬改定に必要なものに限定するとともに、添付書類の省略等の簡素化を図る。

 

【様式9の見直し】

◆病棟における勤務時間に算入できる内容の見直し

・入院基本料等の施設基準に係る届出を行うに当たって看護要員の必要数及び配置数を算出するために使用する「様式9」について、医療現場の実態を踏まえ、また、業務の簡素化の観点から、入院患者の看護に影響のない範囲で病棟における勤務時間に算入できる内容を見直す。

 

【短期滞在手術等基本料3の見直し】

◆短期滞在手術等基本料3の見直し

DPC対象病院であっても短期滞在手術等基本料3を算定するよう、要件を見直す。

 

7.外来医療の機能分化・強化等

【生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の見直し(全体概要】

・生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を以下のとおり見直す。

(1) 包括範囲の見直し

・生活習慣病管理料(Ⅱ)は、生活習慣に関する総合的な治療管理を行うことを評価したものであることを踏まえ、医学管理の実施を適切に推進する観点から、医学管理料等に関する包括範囲を見直す

・生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、糖尿病を主病とする患者に対して、併存する糖尿病以外の疾患に関する在宅自己注射指導管理を適切に推進する観点から、糖尿病に対する適応のある薬剤以外の薬剤にかかる在宅自己注射指導管理料の算定を可能とする。

(2)糖尿病患者の眼科・歯科連携に係る評価の新設

・生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)について、糖尿病の重症化予防を推進する観点から、眼科又は歯科を標榜する他の医療機関との連携を行う場合の評価を新設する。

(3)生活習慣病管理料(Ⅰ)の要件見直し

・生活習慣病管理料(Ⅰ)について、原則として、必要な血液検査等を少なくとも6月に1回以上は行うことを要件とする。

(4)療養計画書の負担軽減

・生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の療養計画書について、患者及び医療機関の負担を軽減する観点から、患者の署名を受けることを不要とする。

(5)外来データ提出加算の見直し

・外来データ提出加算について、生活習慣病に関連するガイドライン等に沿った診療を行う医療機関を高く評価する観点から、診療報酬の請求状況、治療管理の状況等の診療の内容に関するデータを提出した医療機関のうち質の高い生活習慣病管理に係る実績を有する医療機関に対する評価を新設するとともに、提出を求めるデータの簡素化等を踏まえ評価等を見直す。

 

【療養・就労両立支援指導料の見直し】

◆対象疾患・要件の見直し

・対象疾患の定めを廃止し、疾患の増悪防止等のための反復継続した治療が必要な患者であって就業の継続に配慮が必要なものに算定可能とする。

・2回目以降の指導について、3月以上の期間に渡って継続されている実態を踏まえ、算定可能な期間を3月から6月に見直す

・医療機関が受け取る勤務情報について、患者が作成した「治療と仕事の両立支援カード」が、事業者の確認を経て医療機関に提供された場合においても算定可能とする。

 

【医療DX・オンライン診療に係る全体像】

・医療DX関連施策の進捗等を踏まえ、医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算を廃止し、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ共有サービス、サイバーセキュリティ対策等に係る新たな評価を新設する。

・オンライン診療について、各種形態のオンライン診療を適正に推進する観点から、情報通信機器を用いた診療の施設基準の見直し、D to P with Nによるオンラインの評価の明確化、遠隔連携診療料の評価の拡大、情報通信機器を用いた医学管理等の評価の新設・見直しを行う。

 

【電子的診療情報連携体制整備加算の新設】

◆電子的診療情報連携体制整備加算の新設

・医療DX関連施策の進捗状況を踏まえ、普及した関連サービスの活用を基本としつつ、更なる関連サービスの活用による質の高い医療の提供を評価する観点から、医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の評価を見直す。

・医療DX関連施策の進捗状況を踏まえ、普及した関連サービスの活用を基本としつつ、更なる関連サービスの活用による質の高い医療の提供を評価する観点から、診療録管理体制加算の評価を見直し、電子的診療情報連携体制整備加算を新設する。

 

8. 質の高い在宅医療の推進

【在宅療養支援診療所・病院の見直し】

◆業務継続計画の策定

・災害時における在宅患者への診療体制を確保する観点から、在宅療養支援診療所・病院の要件に、業務継続計画の策定及び定期的な見直しを行うことを追加する。

 

【在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の見直し】

◆質の高い在宅医療提供体制の構築の更なる推進

・地域を面で支える在宅医療提供体制の構築を更に推進する観点等から、在宅療養支援診療所等、在宅時医学総合管理料等の見直しを行う。

◆月2回以上訪問診療区分における重症患者割合要件の新設

・患者の医療・介護の状態を踏まえた適切な訪問診療の提供を推進する観点から、在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の「月2回以上訪問診療を行っている場合(難病等を除く。)」の算定に当たって、月2回以上の訪問診療を行う患者数に占める重症度の高い患者(別表第8の2)と包括的支援加算の対象患者(別表第8の3)のいずれかに該当する患者割合が2割以上であることを要件に追加する。

 

【協力医療機関が施設と行うカンファレンス等に係る施設基準の見直し】

◆協力対象施設入所者入院加算等における施設基準の見直し

協力対象施設入所者入院加算及び往診料の注10に掲げる介護保険施設等連携往診加算の施設基準における、協力医療機関と介護保険施設とで行うカンファレンスの頻度について、有機的な連携体制を保ちつつ業務効率化を図る観点から、ICTによる情報共有を行う場合は年1回ICTによる情報共有を行わない場合は原則年3回に見直す。

 

9. 重点的な対応が求められる分野(救急医療・小児周産期医療)

【救急医療に係る全体像】

・救急医療の体制構築に係る評価を適切に推進する等の観点から、以下の見直しを行う。

(1)救急外来医学管理料の新設

・救急医療機関における、夜間休日を含めた医師・看護師等の配置、検査・処方等が可能な体制の構築、地域の救急医療に関する取組等の現状を踏まえ、夜間休日救急搬送医学管理料を見直し、救急診療の実施にあたり十分な人員配置及び設備等を備え、救急外来医療を24時間提供できる体制を有する保険医療機関による救急外来診療に係る評価を新設する。

・救急外来医学管理料を算定する意識障害の患者に対し、救急時医療情報閲覧機能及び電子処方箋システムを活用し当該患者の診療情報を取得した場合の評価を新設する。

・救急外来医学管理料、地域連携小児夜間・休日診療料及び地域連携夜間・休日診療料について、時間外等、休日又は深夜に受診した患者に対して院内トリアージを実施する体制が整備されている保険医療機関において、当該患者(救急用の自動車等により緊急に搬送された患者を除く。)に対して算定する新たな加算を設ける。

(2)院内トリアージ実施体制加算の新設

・救急外来医学管理料、地域連携小児夜間・休日診療料及び地域連携夜間・休日診療料について、時間外等、休日又は深夜に受診した患者に対して院内トリアージを実施する体制が整備されている保険医療機関において、当該患者(救急用の自動車等により緊急に搬送された患者を除く。)に対して算定する新たな加算を設け、院内トリアージ実施料を廃止する。

(3)救急患者連携搬送料の見直し

・救急外来での初期診療後に連携する他の医療機関で入院医療を提供することが適当と判断された救急患者について、入院前に搬送を行う場合の評価を引き上げるとともに、自院等の救急自動車以外を活用して搬送する場合についても評価の対象とする。

・搬送先医療機関においても連携体制の確保や患者の受入れを更に推進する観点から、搬送先医療機関において入院医療を行うことについての評価を新設する。

・搬送先医療機関への搬送時間が長期間となる場合においても円滑な転院搬送を推進する観点から、医師、看護師又は救急救命士が同乗して長時間(30分超)搬送を行う場合の評価を新設する。

 

【救急外来医療に係る評価の再編】

◆救急外来医学管理料の新設

・救急医療機関における、夜間休日を含めた医師・看護師等の配置、検査・処方等が可能な体制の構築、地域の救急医療に関する取組等の現状を踏まえ、夜間休日救急搬送医学管理料を見直し、救急診療の実施にあたり十分な人員配置及び設備等を備え、救急外来医療を24時間提供できる体制を有する保険医療機関による救急外来診療に係る評価を新設する。

 

【救急患者連携搬送料の見直し】

◆救急患者連携搬送料の見直し

・高次の救急医療機関と他の医療機関との連携を強化し、救急患者の適切な転院搬送の実施及び受入を更に推進する等の観点から、救急患者連携搬送料の要件及び評価を見直す。

・救急外来での初期診療後に連携する他の医療機関で入院医療を提供することが適当と判断された救急患者について、入院前に搬送を行う場合の評価を引き上げるとともに、自院等の救急自動車以外を活用して搬送する場合についても評価の対象とする。

・搬送先医療機関においても連携体制の確保や患者の受入れを更に推進する観点から、搬送先医療機関において入院医療を行うことについての評価を新設する。

・搬送先医療機関への搬送時間が長期間となる場合においても円滑な転院搬送を推進する観点から、医師、看護師又は救急救命士が同乗して長時間(30分超)搬送を行う場合の評価を新設する。

 

10. 重点的な対応が求められる分野(精神医療)

【精神病床における多職種協働の推進】

・多職種の協働による質の高い精神医療の提供を推進する観点から、精神病棟入院基本料等の入院料における看護職員、精神保健福祉士、作業療法士又は公認心理師の協働について評価を行う。

 

【精神科地域密着多機能体制加算の新設】

・精神病床に入院する患者数が減少する中で、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に貢献する医療機関を将来にわたって確保する必要があること等を踏まえ、小規模医療機関又は病床数を削減する取組を行っている医療機関が、多職種の配置等による質の高い入院医療、地域定着に係る外来医療や障害福祉サービス等の提供等を一体的に行うことについて、新たな評価を行う。

 

11. 重点的な対応が求められる分野(がん・難病・感染症)

【外来腫瘍化学療法診療料の見直し】

◆外来腫瘍化学療法診療料の見直し

・悪性腫瘍の患者に対する外来における安心・安全な化学療法の実施を推進する観点から、外来腫瘍化学療法診療料について、皮下注射を実施した場合についても評価を行う。

 

【感染症に係る検査の見直し】

◆SARS-CoV-2に係る検査の算定要件の見直し

・新型コロナウイルス感染症を含む感染症を同時に対象とする検査について、関係学会による提言も踏まえ、評価体系及び要件を見直す。

 

12. 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)

【慢性心不全の再入院予防の評価の新設】

◆心不全再入院予防継続管理料の新設

・心不全治療による再入院予防を推進する観点から、急性心不全で入院した患者に対して、早期から多職種による介入を実施し、退院後も必要な治療を地域で連携して実施した場合について、新たな評価を行う。

 

【疾患別リハビリテーション料の訓練内容に応じた評価の見直し】

◆離床を伴わずに行うリハビリテーションの区分の新設

・より質の高いリハビリテーションを推進する観点から、疾患別リハビリテーション料について、訓練内容に応じた評価に見直す。具体的には、ベッド上のみポジショニングや拘縮の予防を目的としたリハビリテーションのみを行う場合について、減算及び算定単位数の制限を設ける。

 

【介護保険との連携の要件化と目標設定等支援・管理料の廃止】

◆介護保険によるリハビリテーション等との連携の要件化

・脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料及び運動器リハビリテーション料において、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる者に対する介護支援専門員との連携を要件化する。

 

【リハビリテーション総合計画評価料の見直し】

◆リハビリテーション総合計画評価料の見直し

〈計画書様式の簡素化〉

・リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書を統合して、記載内容を簡素化する。

・計画書における、患者等の署名欄を廃止する。

〈算定要件の変更〉

・計画書の説明は、医師だけでなく、看護師、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士でも可能とする※。(※ 回復期リハビリテーション病棟においては、引き続き医師による説明が必要。)

リハビリテーション総合計画評価料について、2回目以降に算定する点数を新設する。

 

【休日のリハビリテーションの適切な評価】

◆休日リハビリテーション加算の新設

・休日においても平日と同様にリハビリテーションを実施し、切れ目のないリハビリテーションを推進する観点から、休日リハビリテーション加算を新設する。

 

【疾患別リハビリテーション料の療法士による指導等の更なる推進】

◆疾患別リハビリテーション料における専従療法士が実施可能な業務の明確化

・疾患別リハビリテーション料に規定する専従の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士について、疾患別リハビリテーション以外に従事することのできる業務を明確化する。

・従事することのできる業務の拡大に伴って、単純な労働時間の増加に繋がらないよう、専従の従事者1人の1日当たりの実施単位数の算出にあたっては、当該従事者が疾患別リハビリテーション料及び集団コミュニケーション療法以外の特掲診療料に係る業務に従事した場合、従事した時間を全て合算して20分以上であれば20分につき1単位とみなし、当該実施単位数に含めることとする。

【病棟(入院料)において配置される療法士の業務の明確化】

◆入院料において配置される療法士の業務範囲や兼任規定の明確化

・地域包括医療病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料及び地域包括ケア病棟入院料に規定する専従の療法士等について、当該病棟の患者に対して必要がある場合、その他の区分番号に掲げる業務(退院時リハビリテーション指導料等)に従事できることを追記する。また、生活動作の指導等において必要な場合等を考慮し、病棟の患者に対して、屋外など、病棟外で業務にあたることも可能であることを明確化する。

 

13. 重点的な対応が求められる分野(医薬品適正使用)

【長期収載品の選定療養】

・長期収載品の選定療養について、後発医薬品の供給状況や患者負担の変化にも配慮しつつ、創薬イノベーションの推進や後発医薬品の更なる使用促進に向けて、患者負担の見直しを行う。

 

【栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の適正化】

◆栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の適正化

保険給付の適正化の観点から、栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の要件を以下の通り見直す。

入院中の患者以外の患者に対して、薬効分類がたん白アミノ酸製剤に分類される医薬品のうち、効能又は効果が「一般に、手術後患者の栄養保持」であるものであって、用法及び用量に経口投与が含まれる栄養保持を目的とした医薬品を投薬した場合については、

手術後の患者である場合はその旨

経管により栄養補給を行っている患者である場合はその旨

必要な栄養を食事により摂取することが困難な患者である場合その他これに準ずる場合であって、医師が当該栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した患者に投薬する場合はその理由

を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで保険給付の対象とする。

 

14. 医療技術の適切な評価

【医療技術の適切な評価の全体像】

・医療技術評価分科会における検討結果等を踏まえ、新規技術の保険導入及び既収載技術の再評価を行う。

・ロボット手術について、医療機器の効率的な活用及び高額医療機器の集約化を図る観点から、特定のロボット手術年間症例が200例以上である場合に新たな評価を行う。

・移植医療について、臓器提供機会の確保や移植実施体制強化を推進する観点から、院内の認定ドナーコーディネーターによる同意取得や、臓器提供施設・臓器あっせん機関等との連携を評価する。

 

【全身麻酔の評価の見直し】

◆全身麻酔の評価の見直し

・安全で質の高い麻酔管理を評価する観点から、全身麻酔の評価について、区分番号L000からL001-2の1まで及びL007を統合し、短時間の鎮静に係る評価として「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」を新設する。

・安全で質の高い麻酔管理を評価する観点及び深鎮静の評価を整理する観点から、全身麻酔の評価について、麻酔の深度、気道確保デバイスの有無及び麻酔管理体制に応じた評価としてL001-2の2及び3の評価を見直す。